デビュー後、絵本作家たちは何をしているの? 5つの実例を紹介します

絵本コラム

2024/11/22

「絵本作家になりたい」

その夢を叶えるために頑張っている人たちがたくさんいます。

ただ、ついに夢を叶えて絵本を出版し、絵本作家になったとしても、その絵本が広がらなかったら意味がありません。

なぜなら、最初の1冊目の成功が、2冊目、3冊目、4冊目…と作家活動を続けていくための鍵を握っているからです。

絵本作家は、ゴールではなくはじまりです。

 

自分の絵本をより多くの人に届けるために、絵本作家はどんなことをしているのか?

この秋の絵本作家さんたちの活動のなかから、5つの実例を紹介します。

ぜひ、ご自身が絵本作家になったときの参考にしてください。

 

 

① 絵本原画展を開催する

 

ギャラリーや書店で絵本の原画展を開催する絵本作家さんは多いです。

絵本の原画には、印刷したものとは違うテクスチャーがあり、アートとしても楽しめるものです。

原画を見て絵本に興味を持ってもらう絶好の機会になるだけではなく、すでに絵本を持っているファンとの交流の場にもなるはずです。

 

例えば、絵本『パンダのどすん ボクのおきにいり』の作者、handyさん(母娘で創作している2人組の作家さんです)は、現在、書店で原画展を開催しています。

 

 

原画展だけではなく、公開トークやワークショップ、グッズ販売など、期間中にざまざまな催しがあるのも魅力です。

ポスターも絵本の世界観と合っていて、見ているだけでワクワクしますね。

 

 

② 絵本の読み聞かせイベントを開催する

 

子どもの頃に出会った絵本を、読んでくれた人の声や、その場所の雰囲気とともに覚えていたりしませんか?

とくに、作者自身が絵本を読んでくれたら、いっそう思い出に残りそうですよね。

原画展と並んで開催されることが多いのが、絵本作家による読み聞かせイベントです。

絵本が大好きな子どもと親御さんに出会える絶好の機会になります。

 

11月は、絵本『ビーバーと どろぼうの すてきな ひろいもの』の作者、こあらゆうさんが読み聞かせイベントを開催していました。

 

 

なんでも、11月の満月はアメリカの農事暦で「ビーバームーン」と呼ばれているそうで、こあらゆうさんは、ビーバーが主人公の絵本にちなんで、さまざまな活動や発信をされています。

 

 

③ フェス・マルシェ・エキスポなどの合同イベントに出展する

 

自分で原画展やイベントを開催する以外には、他の作家さんが集まる合同イベントに出展する方法もあります。

こんなイベントがあったんだ! と感心してしまうほど、さまざまなイベントに出展されているのが、絵本『ゆきがふるとき』の作者、ゆじゃりさん。

最近では、「ニャンフェス」と「亀有神社マルシェ」の2つに出展されていました。

 

 

合同イベントだと、共通のテーマに興味がある人がたくさん集まるので、未来のファンになり得る層との出会いの場として最適だと思います。

 

 

④ LINEスタンプをつくる

 

日本人なら使っていない人はいないほど普及しているLINE。

LINEスタンプを購入して使ったり、だれかにプレゼントしたことがある人も多いのではないでしょうか。

絵本のキャラクターのLINEスタンプをつくって販売している絵本作家さんもたくさんいます。

『ナマケモノのメブくん』『ナマケモノのメブくんとワシのヒナ』の作者、かやのしんやさんもその1人です。

 

 

ファンにとってもうれしいですし、LINEスタンプから絵本を知る人も増えるでしょう。

また、缶バッチやバッグなどのグッズ制作と違って材料の原価料もかからないので、そうしたハードルの低さも魅力かもしれません。

 

 

⑤ 書店を訪問する

 

書店に作家さんの手書きのサインやメッセージが飾られているのを見たことはありませんか?

好きな作家さんのサインが本の近くに置かれていると、「おっ」と嬉しくなりますよね。

あらゆる書籍を扱う書店さんにとっても、作家が訪ねてきた本とそうではない本では、やはり前者のほうが印象に残りやすいそうです。

さらに、本の内容に興味を持ったら、「売り場でこの本の魅力を伝えたいな」と思ってもらえることもあるとか。

 

絵本作家さんも、出版直後から、自分の絵本を携えて書店を巡る方が多くいらっしゃいます。

緊張するけれど、書店と作者は、立場が違えど同じ本が好きな者同士。

話が盛り上がり、お互いにとって良い出会いになることもあるそうです。

 

最近では、絵本『せんせいって』『ミセスストゥープのゆうれい』の作者、夏きこさんが有隣堂さんを訪ねていましたよ。

 

 

 

以上、絵本の出版後に絵本作家がしていること、実例5つを紹介しました。

この他にも、InstagramやXで発信したり、YouTubeに読み聞かせやテーマソングをアップしたり、などなど、たくさんの実例があります。

また、まだだれもやったことのないアイデアも、これから出てくるかもしれません。

自分が絵本作家になったときのことを、少しでもイメージしてもらえたらうれしいです。