2023/02/01
明けましておめでとうございます。
今年も、えほんのがっこう奮闘記を宜しくお願い致します。
おもちばっかり食べて正月太りをしました、ゆのきです。
2023年が始まりました。
みなさんは、初詣に行かれましたか?
私は、3回行きました。笑
寒い中、参拝列に並んでお願いごとをしたり、おみくじを引いたり、屋台でベビーカステラを買ったり…
神社の雰囲気も含めて全てが新年を迎えた感じがして、毎年何度も行ってしまいます。
そんなことより、1月も絵本教室に参加してきました。
絵本作家を目指す人たちが集う「えほんのがっこう」。
毎月第3水曜日の19:00から約2時間オンラインで行われている講座です。
今回の講義のテーマは、「ベストセラーから時代を読む」。
今までになかった、グループごとでの講評も行いました!
今、売れている本とはどういったテーマの本なのか。
2022年のベストセラーを見てみると、次のようなテーマの本がランキングの上位に多くあります。
・健康
・お金
・戦争
・天変地異
・死
このことから、コロナや物価高騰、ウクライナ情勢など、時代背景がテーマと大きく関わってきていることが読み取れます。
その年のベストセラーから時代背景を読み取ると、今何が求められているかに気づくことができます。
傾向を自分なりに捉えることで、テーマをつくるヒントを得ることができるんです。
絵本でいうと、命の大切さを教えてくれる「チャコという犬がいた(作:たなかちづみ)」「ぼくのひよこ(作:ほしのほしこ)」や、ジェンダー要素を踏まえた「げっけいのはなし いのちのはなし(作:おおいしまな・ふかいあずさ)」、高齢社会を想起させる「じーさんとぴーぽっぽ(作:小亀たく)」と、例を多く上げてくれました。
これらのような最近刊行された絵本からも、今の時代を読み取ることができます。
また、年間ベストセラーで検索してみると、児童書のみのランキングも閲覧できました。
パンどろぼう、ポケモン、だるまさんシリーズが上位を占めていて、読者の心を掴むキャラクターを生み出すことができれば、継続して作品の売上を伸ばすことができるんだなと思いました。
作品をつくるためにはテーマが重要だと、今までの講義で何度も耳にしてきました。
では、そのテーマを伝えるためには何をしたらいいのでしょうか。
そのためには、モチーフを作る必要があるんです。
例えば、オムライスを作ろうと思ったら、卵やお米、ケチャップ等がないと完成させることはできません。
この卵やお米といった材料が、作品づくりにおけるモチーフにあたります。
モチーフは、テーマを表すために必要な材料なんです。
9月の授業に出てきた”テーマの傘”でいうなら、モチーフは傘の絵柄にあたるような気がします。
大きなテーマ(取っ手)に向かって、小さなテーマ(骨組み)が四方八方から刺さっている。
そのテーマを表すためにモチーフ(絵柄)が散りばめられている。そんな風に感じました。
この傘をつくるように作品をつくっていけば、1ページずつのテーマが全体で見ると不明確になったり、読者が感じるテーマがいくつも出来てしまったりすることも、自ずとなくなっていくのではないでしょうか。
今の時代は、タイムパフォーマンスが流行しています。
YouTubeや映画を飛ばしながら見たり、イントロなしで急に歌が始まったり。
ですが、作品づくりにおいては、悩みに悩んで多くの時間をかけたものが、良い作品に繋がります。
作品づくりのテーマは今の時代から見つけることがよくても、作品づくりに対する姿勢は流行に流されずに、丁寧に慎重に行うことが大事なのかもしれません。
ワークショップのテーマは「友達がいなくなった」「今夜はたこ焼きパーティー」「しびれた~」の3つ。
この中から1つ選んで”どうやったら戦争がなくなるか”考えながら制限時間内に作品をつくるというものでした。
今回は全体発表の前に、グループごとに分かれてフィードバックを行いました。
今までは、全体での発表のみだったのでフィードバックの数が少なく、時間も短かったのですが、グループごとに行うことで多くの意見をもらえたり、時間に余裕ができ、内容の濃いフィードバックになりました。
私は”戦争”というネガティブなワードに引っ張られてしまい、暗い思考から抜け出せないでいました。
制限時間ぎりぎりでストーリーが浮かんだのですが、ありきたりな展開な気がして、納得のいく作品をつくることができなかったので、生徒さん達の創作スピードに驚かされました。
全体での発表では、グループ内で発表した内容をすぐにブラッシュアップして発表されている方もいて、発想力に圧倒されました。
創作過程において戦争から平和を連想した方が多くいて、過去の授業で戦争をテーマに、しりとりで連想ゲームをしたのを思い出しました。
重いテーマに囚われすぎず連想していくことで、大きなテーマと切り離すことなく、明るいお話をつくることができるのだと感じました。
また、たこ焼きに骨を入れるという斬新なアイデアを出された方のフィードバックにて先生は、たこ焼きパーティーのタコはオクトパスのタコである必要はない。自分なりのタコにすればいいと仰っていました。
それを聞いて、色々な国の人が自分の好きな食材を持ってきて、たこ焼きの中に入れて食べるというお話にすれば、平和を連想させることができ、戦争をなくすことに繋がるのではないかと閃きました。
他の生徒さんの作品に対するフィードバックは一見、自分には関係ないことのように思えるけれど、自分の新しい発想に結びつく可能性があるんだなと感じる経験でした。
今回、作品講評を受けた生徒さんが興味深いことを仰っていました。作品づくりの際に、頭の中に先生が出てきて”それは違うんじゃない?” “もっとこうした方が”などと話しかけてくるそうです。
すごく面白いエピソードだと思ったのと同時に、えほんのがっこうで聞いたこと、学んだことが創作活動で生かされているのだと思いました。
最後に、今回の授業で印象に残ったことを発表する時間があったのですが、多くの方が他の生徒さんの斬新なアイデアや言葉選びを挙げていて、他者の作品から刺激をもらっている人が多くいるのだと感じました。
また、みなさんの言葉を聞いていると、自分が気づかなかった視点を知ることもできます。
“新年会”という言葉を使わずに、”お正月パーティー”と表現したことに驚かされたと述べる生徒さんがいて、確かに言われてみればそうだと思いました。
今までの発表で、アイデアや表現を褒めてもらったとき、自分では気づかなかった自分の良さを知ることができたので、ジョハリの窓の盲点のようだと思ったことがありました。
ですが、今回の授業では自己だけでなく他者から見た他者の性質も知ることができ、こういった作家同士の関わる機会は新しい発見を得られる場になっていると改めて感じる体験になりました。
いかがでしたか?
興味のある方はぜひ一度「えほんのがっこう」に参加してみてください!
初回は無料で体験入学ができるそうですよ。
▼体験入学はこちらから
https://community.camp-fire.jp/projects/460379/activities/341933
来月も、引き続き授業風景をお届けします。
お楽しみに。
ゆのき うりこ / ライター
兵庫県出身。大学を卒業後、「書く」ことを仕事にしたいと思い、24歳でライター活動を始める。趣味は韓国語の勉強・音楽・お笑い・映画・絵を描くことで、オリジナル絵本の作成も行っている。Instagram