大賞作品からひもとく! 絵本出版賞

絵本コラム

2022/08/23

絵本出版賞に応募する方のなかには、「大賞を受賞して、絵本出版の夢を叶えたい!!」という方も大勢いると思います。
「大賞って、どんな作品が受賞しているのだろう……??」
気になりますよね。
 
この記事では、第1~9回までの大賞受賞作品について紹介。
受賞作品のポイントを分析して、新たな作品制作にぜひ活かしてください。

 

絵本出版賞で大賞をとるには……??

才能のある絵本作家を発掘するために始まった絵本のコンテスト、絵本出版賞。
  
どんなに荒削りでも未完成でも、今までこの世に存在しなかった新しい表現に出会いたい。そんな想いで全国から作品を募っています。


たとえ応募作品が完成されていなくても、編集者との共同作業を経て、作品は大きく生まれ変わっていきます。

そのため、「こんな作品でも大丈夫かな」「今までの絵本の概念とはちょっと違うかもしれない……」といった作品も大歓迎です。


実際に、過去にも受賞を通じて、才能を伸ばし、何冊もの絵本を販売したり、韓国・中国・タイといった海外での出版を実現したりしている著者もいます。

大賞をとるには、まずは「本当にこれでいいのかな……?」といった不安をぬぐって、一歩踏み出すことです。
ご自身でも気づかなかった才能の芽を、審査員が見つけ出し、満開へと咲かせていきます。

 

 

過去の大賞受賞作を紹介!

第1~9回までの大賞受賞作品を紹介。
受賞のポイントなど、ぜひ創作活動に活用してください。

 

第1回受賞作『やまもとさんちのにゃまもとさん』著:ピイキチナツ

飼い主のやまもとさんと、猫のにゃまもとさんとのほのぼのした生活に癒される1冊。
青とピンクの特色インクを使って、見た目も可愛らしい作品です。


受賞ポイント・「にゃまもとさん」という響きがとても良い。楽しく、温かい気持ちになれる1冊。
・読んでいて、気持ちのいい作品。「描きたいことを描き切っている!」という感じがしました。

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第2回受賞作『なにになるのマカロニさん』著:まるやまなお

たろうくんのお誕生日のため、マカロニさんたちが大奮闘!
本作受賞後、著者のまるやまなおさんは、みらいパブリッシング社から『ペロペロ おさらくん』、『ピッポときっぷ』など6冊の著書を出版しています。


受賞ポイント・ストーリー、場面展開、画風と素晴らしい作品! マカロニ兄弟が可愛く、面白く描けています。意地悪猫のキャラや外国風の表情も良かったです。
・「マカロニロニロニ 何になるのマカロニさん」の語呂が頭に残ります。

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第3回受賞作『起きろ!さくら』著:ノリッサオノダ

圧倒的なヴィジュアルに思わず目が奪われる作品。
美しい桜をモチーフに、少女が「愛」と巡り会うまでの幻想的な物語です。


受賞ポイント・絵の迫力がスゴイ!! アニメーションのようなイラストに心をつかまれました。
・文章量が多いため「本当にこれは絵本か? 児童文学ではないか?」と議論が起きました。
応募作をそのまま出版するのは難しいという意見が大勢を占めましたが、
編集者と一緒に新たに作り直すことで、新たな絵本の地平が拓けるのではないか、と受賞に至りました。

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第4回受賞作『やどかりツアー』著:はせがわあかり(出版前のタイトルは『やどかりりょこうき』)

応募作は情緒あふれる江戸風のイラストでしたが、一転、出版作は子どもにも愛されるタッチに変更となりました。ヤドカリのやどりんが、さまざまな場所に旅行するのを一緒に楽しめる作品です。


受賞ポイント・イラストが可愛らしくて素敵。最後は宇宙規模に話が発展していくさまも、愉快でよかったです。
・浮世絵のような江戸風のイラストから、宇宙にまで行ってしまうスぺクタルな展開が面白い。色がキレイで、絵を眺めるだけでも楽しめます。

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第5回受賞作『Dalia Good Night』著:すず村さおり

著者自身もよく夢を見ることから、生まれた作品。
外国のカフェにありそうなオシャレな色や判型などからも、著者のこだわりが感じられます。


受賞ポイント・イラストや内容などからオリジナリティが感じられる作品。分かりやすく、子どもでも楽しみやすい1冊と感じました。
・単純にセンスがいいです。絵もキレイで、大人も子どもも楽しめます。

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第6回受賞作『ちびすっぽんのぼうけん』著:はまだみわ

著者のはまださんは『スキニーとガリーの あたらしいともだち』で第4回絵本出版賞審査員特別賞を受賞。
すでに出版もされていましたが、こっそり新作を応募していたようです。
あまりにも画風が異なったため、審査員はだれもはまださんだと気づかなかった、というエピソードがあります。


受賞ポイント・ちびすっぽんが可愛い♥ たくさん出てくるキャラクターたちの表情なども、喜怒哀楽がしっかりと表現され、イキイキとしています。
・ギャグが散りばめられ、アニメのような雰囲気。ちびすっぽんの冒険に一緒に出掛けているような、気分のいい作品です。

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第7回受賞作『がいこつさんがわらった ぼくはちょっとホッとした。』著:いしだいすず

ひょうきんで、どこか寂しげながいこつさんとぼくとの物語。
お皿を割って店長さんに怒られたり、ホットミルクを飲んだり……。
既存のがいこつのイメージを覆すような、キャラクターが魅力的な作品です。


受賞ポイント・荒削りなものの、味のある作品。独特の展開に引き込まれていきます。
・みんなががいこつを怖がらないところがいい。絵も印象的で、文章も洗練されて読みやすいです。

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第8回受賞作『びっくりちゃんがびっくりするわけ』著:MAO

(※2022年8月時点では未発売)

弱冠14歳の著者が織り成すハートフルなストーリー。
2022年秋頃刊行予定です。


受賞ポイント・「びっくりちゃん びっくり」のフレーズが印象的な一冊。色々な動物が出てきて、子どもも楽しめそう。・ダイナミックな絵と大胆なストーリーに心ひかれます。ユーモアたっぷりで、最後まで楽しく読める作品です。

 

 

第9回受賞作『Dr.ヴィクターデンタルクリニック』著:いずみまいこ

(※2022年8月時点では未発売)

色々な動物が歯の治療にくる不思議な歯医者さんの話。
緻密な絵と物語は圧倒的! 本当に、このクリニックがこの世に存在するような気分になります。


受賞ポイント・絵のうまさ、キャラクターに圧倒されます。テーマ選びも秀逸で、最後まで展開が読めない楽しさがありました。・作り込まれたクオリティの高さを感じる作品。読みながら「出版したい!」という気持ちが沸き起こってきました。

 

 

 

 
 
 
以上、過去9回分の大賞受賞作品の受賞ポイント等を紹介しました。

大賞を獲得する作品は、他の作品を凌駕するような、画力やセンスを持っている傾向にあります。
また「マカロニロニロニ 何になるのマカロニさん」や「びっくりちゃん びっくり」など、印象的なフレーズも審査員の心に残りやすいです。

回を追うごとに応募数も増加傾向にあるため、大賞受賞は難しくなっていますが、毎回必ず受賞者は出ています。
次の受賞者は、あなたかもしれません。

あこがれの絵本出版を叶えるためにも、勇気を持って応募してみることをおすすめします!!

 

 



絵本出版賞では、皆さまの意欲作をお待ちしております。

大賞受賞者は、作品の出版化だけでなく、賞金20万円もゲット!!
「あこがれの絵本作家になりたい」と思っている方にとっては、またとないチャンスです。

過去の受賞者のなかには、受賞作のみならず、その後も継続的に出版している方もいます。
「絵本を出版したい!」「夢を叶えたい!」と思っている方は、まず応募してみて。

新たな人生の扉が開けるかもしれませんよ……!!!


第10回絵本出版賞の募集要項

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