出版ってどうするの? 過去の受賞者からメッセージ

受賞者インタビュー

2022/04/21

      

 

第8回絵本出版賞の授賞式では、絵本出版賞で入賞し、書籍を出版した先輩作家さんたちが登場し、メッセージをいただきました。

絵本出版賞で受賞後、どのようにして作品は出版されるのか?

知りたい方は、ぜひご覧ください。

      

  

《 第6回絵本出版賞 審査員特別賞を受賞 》

作品名「まんげつのよるのピクニック」/のむらうこ さん

 

 

皆さま、このたびは受賞おめでとうございます。

私はちょうど1年前に第6回で賞をいただきました、のむらうこと申します。

本日は1年前を思い返しながら、参加させていただいております。

 

本日受賞された方々のなかには、これから出版に向けて動き出される方がいらっしゃると思います。

ちょっとだけ先に出版した者として、私が出版の際にどのようなことをしたかを、少しお話させていただこうと思います。

 

コンクール応募の際、作品に関して少しモヤモヤしている箇所がいくつかありました。

そのひとつが表紙です。

応募時は全然違うイラストだったのですが、私も編集者の方も迷い、表紙2案を持ち帰ってしばらく検討することになりました。

私は家族や友達などに「どちらの表紙のほうが読みたくなるか」を聞いてアンケートをとり、それを参考に編集者の方々に意見を伝え、現在の表紙に決定しました。

 

 

このように自分の中で腑に落ちていない点も、気兼ねなく相談しながら形にできるというのは、とても心強いです。

ほかにも中ページを一部、よりメリハリのあるイラストにしようということになり描き換えました。

 

発売後は、先ほど城村典子さんのセミナー(授賞式で行われた講演)内でもお話がありましたが、アピールする努力をしなくてはなりません。

 

私は新たにツイッターを始め、新聞やテレビ、絵本関係のサイト、居住している市などに献本をして「よければ紹介していただけませんか」と依頼しました。

結果、複数のローカル局のテレビ番組や広報誌などに取り上げて頂きました。

 

また市の広報誌に掲載して頂いたことがきっかけで、原画展も実現しました。

このような働きかけは大事だと改めて感じました。

 

また発売に際しては、ポストカードサイズのPOPも自分でつくりました。

知り合いに出版のお知らせをしたり、絵本を渡す際のプレゼントにしたり、書店にも使っていただき、とても役に立ちました。

 

あまり表に出るのが好きなタイプではなく、広報誌に掲載していただいたり、媒体に名前が載るのにはまだ慣れていません。

しかし狭い範囲かもしれませんが、より作品が広まっていくよう活動していきたいです。

 

現在は次作を描いていますが、コンクールと違って出版することが決まっているため、前向きな気持ちで進めることができています。

納得のいく絵を描けていますね。

 

私は表紙を決めるのが苦手なのですが、次作は表紙もラフを複数枚描き、どの方向性でいくかを編集の方と相談して決定しました。

本番用の表紙はつい数日前に描き終えたところです。

 

経験のある編集の方と相談しながら進められるのは、とても心強いと感じています。

 

以上、出版と制作の過程を少し紹介させていただきました。

何かのお役に立てましたら、幸いです。

 

皆さまのこれからのご活躍をお祈り申し上げます。

 

 

のむらうこさんの絵本

 

デビュー作「まんげつのよるのピクニック」のむらうこ(税込1,540円)

Amazonで購入する
ラララショップ(送料無料)

 

新作「うりぼうきょうだいのみつけもの」のむらうこ(税込1,540円)

Amazonで購入する
ラララショップ(送料無料)

 

 

《 第6回絵本出版賞 優秀賞を受賞 》

作品名「もーもーたろう」/ワダアスカ さん

 

 

このたびは、皆さまおめでとうございます!

第6回絵本出版賞にて優秀賞を受賞させていただきました、ワダアスカです。

 

今後の皆さまのお役に立つためにも、編集の方と制作してよかったことなどをお話させていただきます。

 

まず編集者の方と一緒につくって良かったと感じたことは、客観的に作品を見てくださることです。

自分では気づかなかったことを色々指摘してくださり、私も刺激を受け、「より良くしていきたい」という意欲が高まりました。

 

私は過去に別の出版社でも絵本を出版した経験がありますが、みらいパブリッシングの編集者の方は、「こんなこと聞いてもいいのかな?」と思うような些細なことでも質問したら、色々とお話してくださるので、そこも編集の方と一緒に作品づくりして良かったと感じたところです。

 

私は、「この作品を通じて、何を伝えたいのか」ということがよく分からないまま、手探りで、作品をつくっていました。

しかし、編集の方とのやりとりを通して、「自分の伝えたいことは、こういうことかな」とだんだん整理できるようになってきました。

 

現在、次作を企画中ですが、編集の方にガッカリされたくないので、見捨てられないよう頑張りたいです(笑)。

 

 

「もーもーたろう」を通じて、ある10歳くらいの女の子との出会いがありました。

その子は、もーもーたろうの大ファンになってくださり、紙粘土でつくったもーもーたろうの写真を送ってくださり、さらに「自分も絵本作家になる」といって、夏休みの宿題で自作の絵本を提出したそうです。

そんな風に、自分が他者に影響を与えるなんて、思ってもみなかったので、とてもうれしかったです。

 

また、今まで「読者の方々は、どのように感じるか」ということは考えたことはありましたが、出版を通して、書店員さんなど本を販売する方のことも意識するようになりました。

読者だけでなく、販売員の方に「売りたい」と思ってもらえるよう、努力することも大事だと感じます。

 

私も売り込みは苦手ですが、色々アドバイスをいただき、地元の新聞社さんに取材を依頼したり、本屋さんに「よろしくお願いします」と色紙を持ってあいさつ回りをしたり、仕事を通じて知り合った方に絵本を委託販売してもらったり、コラボで展示イベントを開催したりするなど、地元を中心に活動をしています。

 

つたない話ですが、少しでも皆さまの参考になればうれしいです。

ご拝聴いただき、ありがとうございました。

 

ワダアスカさんの絵本

 

「もーもーたろう」ワダアスカ(税込1,540円)

Amazonで購入する
ラララショップ(送料無料)

 

 

 

 

過去に受賞した方のお話を紹介しました。

 

初めての絵本出版。 

絵本出版賞受賞の皆さまも、「出版なんて本当にできるの?」「本当に売れるの?」などたくさんの疑問があると思います。

 

まず気になることは、出版社や編集者の方に色々聞いてみてください。

そして、「出版したい!」と心から思えたら、チャレンジしてみることをおすすめします。

 

絵本出版のチャンスの扉は、大きく開かれています。

まずは、頑張って制作した作品を応募してみてください。

埋もれていた才能を、審査員たちが花開かせてくれるかもしれません。

 

「絵本を出版したい」「絵本作家になりたい」と思う方々からの、ご応募をお待ちしております。

 

第9回絵本出版賞の募集要項