【えほんのがっこう奮闘記】ゆのき、作家の工夫を知る の巻

創作のヒント

2022/08/04

 

 

こんにちは。日焼けは丸襟型、ゆのきです。

 

日焼け止めって3時間おきに塗らないといけないらしいですね。

めんどくさがりな私は、朝出かける前に塗ってその後は放置。

そのおかげで毎年、初夏の段階で首がTシャツの丸襟型に焼けてしまい、露出が多い時期になってから恥をかいています。笑

来年こそはと思うのですが、きっと来年も同じ過ちをおかしている気がします。笑

 

それはさておき、7月も絵本教室に参加してきました。

絵本作家を目指す人たちが集う「えほんのがっこう」。

毎月第3水曜日の19:00から約2時間オンラインで行われている講座です。

 

今回の講義のテーマは、「絵本を読みとく」。

これまで意識したことのなかった視点で改めて絵本を読み返すことで、ページをめくりたくなるような細やかな工夫が散りばめられていることに気付かされました。

 

 

周囲へのアピールが作品づくりの第一歩

 

7月は新企画、”絵本作家さんに話を聞いてみよう”からスタートしました。

記念すべき第1弾は、えほんのがっこうの生徒でもあるひびちょんさんです。

 

 

自分の考えたことで人を楽しませたいと思い、絵本づくりをはじめたひびちょんさん。

「おとうと」という作品で第6回絵本出版賞絵本部門の奨励賞を受賞し、絵本作家の仲間入りを果たしました。

 

この物語を本にしたい! だけど、自分の絵の雰囲気と物語に少しずれがある気がする…。

作品づくりをしていると、そんな考えになることもあるかと思います。(実際に私もその壁に何度も直面しました。笑)

そこで気になるのが、どうやってイラストレーターさんと知り合うのかです。

 

「おとうと」の絵は、あくびさんという方が描かれています。

絵本をつくりたいという強い意志を周りにアピールしていたら、人づてに紹介されたそうです。

私が以前取材した作家さんも、イラストレーターさんとは知人の紹介で知り合ったと仰っていました。

身近にイラストレーターさんがいない場合は、やはり自分から周りにアクションを起こすのが大事だなと思いました。

 

出版にあたって大変だったことは? という質問の回答には、実際に出版された人ならではの視点がありました。

編集者との打ち合わせの中で、自分でつくった作品に対して、当初想定していたものと違う感じ方や捉え方をされることがあったそうで、その意見を受け入れるのに時間がかかったと仰っていました。

確かに、強い思いがあって作品にしたものが自分の意志と違った形になるかも知れないとなると、抵抗はあると思います。

それでも、より良い作品をつくるためには、自分の視点を入れたり出したりしながら、作品をアップデートしていく必要があるようですね。

 

ひびちょんさんといえばユニークで、クスッと笑える作品をつくる方という印象があったので、今回お話を聞いて、受賞された作品を読んで、新たな一面を見れた気がします。

 

私自身、作品をつくる時は少し笑えるようなストーリーを意識しているのですが、それだけでなく、人を感動させられるような作品もつくれるようになれば、絵本作家としてのデビューの道は広がるのではないかと考えさせられるお話でした。

作家の方に直接お話を聞くと、よりイメージがしやすくなるように感じます。

こういった機会があるのも、えほんのがっこうならではですね!

 

 

 

絵本を読みとく

 

実際に出版されている絵本には実は、読者が楽しめるような工夫が多くなされています。

「ねこちゃん どうしたの?」(ひだのかな代/みらいパブリッシング)という絵本を例に、深堀りしていきました。

 

 

あらすじ:

ある時、隣に住む仲良しのねこちゃんが包帯でぐるぐる巻きに。ののかという女の子が、そのねこちゃんに何があったのか尋ねることで物語が進んでいく

 

 

タイトルを聞くと、ねこちゃんが主人公のように感じるのですが、あくまで主人公は隣の家に住む女の子の“ののか”。

その証拠に登場人物の中で、ののかだけ名前がついています。

そこから、この物語の軸は、ののかの失敗のリカバーであるということがわかります。猫ではなく、女の子を軸にするのが、この物語のミソなんですね。

 

猫に関する展示があったり、書店に猫の本を集めたコーナーがあったり、猫が出てくる絵本は売れると聞いたことがあります。

ですが逆にいうと、それだけ猫に関する作品が多いということ。

その中でも、主人公を人間の女の子にして軸をずらすことで他の作品とまた一味違った作品だとアピールできるかも知れません。

猫に限らず、今後の創作活動において活かせる手法だと思いました。

 

また、この作品を読んでいるとキャラクター設定や関係性がしっかり形作られている事も読み取れます。

ののかとねこちゃんが隣の家に住んでいることから、飼い主とペットの関係ではなくちゃんと友達でいられること、心配するののかに対し、ねこちゃんが平気な顔をしていることから、信頼関係が築けていることがわかります。

 

読者ターゲットやテーマを明確にすることも大事ですが、登場人物のキャラクターも設定を細かくすることで、絵や文はさらに深みを増すのだと思います。

自分の好きな絵本を使って、こういった工夫を読みといていくのも面白いかも知れませんね!

 

 

 

手の届く、そのもう少し先

 

今回のワークショップは、”戦争中の子ども”というテーマにそってしりとりしながら、連想ゲームを行い、最後にゲーム内で出てきた言葉を材料に、制限時間内に絵本をつくるというものでした。

また、連想ゲームの途中で、明るい言葉にする、色気をプラスするといった追加オーダーが入ってきたので普段に比べ、さらに難しいワークショップでした。

色気が追加されたあと、”爪に赤いマニキュア”と答えた生徒さんがいて、自分じゃなかなか思いつかないけど、言われてみると確かにわかる! と納得させられることもありました。

 

作品発表では、暗い中にも希望の兆しを与えてくれるような作品が多く見受けられました。

また、暗いストーリーの中にも、絵や配色、言葉の並びからその作家さんの毛色のようなものが垣間見えて面白かったです。

私は、制限時間内にオチが全く浮かばず、作品発表ができなかったので、他の生徒さんたちの完成度の高さに、もっと想像力を膨らませる努力をしなくては! と感じさせられました。

 

今までのワークショップだと、テーマを選択できたり、単語の種類が多かったことから、無意識に自分がつくりやすいもの、想像しやすいものだけピックアップしていたのだと思います。

生徒さんたちの作品発表を見ていると、ワークショップに出てくる単語をできるだけ多く、もしくは全て使用されている方もいて、自分のつくる可能な範囲のほんの少し先まで手を伸ばして作品をつくることが、想像力の成長に繋がるのではないかと感じました。

 

 

いかがでしたか?

興味のある方はぜひ一度「えほんのがっこう」に参加してみてください!

 

 

最後になりましたが、今秋も絵本出版賞が開催されます!

なんとこのコンテスト、選ばれた作品は実際に絵本として出版されるんです。

募集内容はこちら。

 

Ⅰ. 絵本部門
Ⅱ. 赤ちゃん・学べる絵本部門
Ⅲ. 大人向け絵本部門
Ⅳ. 絵本のストーリー部門

 

※締切は11月10日(木)必着です。

 

作品のイメージは完璧! だけど絵はラフしか描けない…

他のコンテストに応募したけど、入選されなかった…

 

自分を信じる気持ちがあるならば、そういった作品もぜひ応募してみてください。

あなたのまだ見えてない才能を、世界観を、日本中に届けましょう。

 

詳しくはこちらから↓

https://ehonpub.com/submit_detail/

 

 

ゆのき うりこ / ライター

兵庫県出身。大学を卒業後、「書く」ことを仕事にしたいと思い、24歳でライター活動を始める。趣味は韓国語の勉強・音楽・お笑い・映画・絵を描くことで、オリジナル絵本の作成も行っている。Instagram