扇風機になってみたら……?『かわろうよ かわろうよ』たなかべぶびさんインタビュー

受賞者インタビュー

2022/05/11

 

扇風機に掃除機、お皿、時計……。
身近にあるものに変わってみたら、どうなってしまうのだろう……?
そんなことを考えたことがある人もいるかもしれません。
たなかべぶびさん作の『かわろうよ かわろうよ』は、勉強嫌いのめぐむくんが扇風機やお皿、いすなどの家財道具に変化してしまう、ちょっと不思議なストーリー。
どのようにしてこの作品は生まれたのか? 
著者のたなかべぶびさんにうかがいました!

 

 

 

『かわろうよ かわろうよ』あらすじ

勉強嫌いのめぐむくんは、今日も宿題をする気が起きません。
「面倒くさいなぁ……」そう思っていると、「かわろうよ かわろうよ」という声が部屋のあちこちから聞こえてきます。
そのまま色々なものに変化していく、めぐむくん。
ものになっためぐむくんは、いったい何を感じるのでしょうか……?

    

――この作品を思いついたきっかけは何ですか?

自分は九州に住んでいるのですが、台風が来ると「瓦たちは頑張っているな」と思うのですね。
そんな感じで、ものを擬人化して考えていたとき、この作品は生まれました。

個人的には、絵を見るだけで楽しんでもらえる作品づくりを心がけています。
そういった点で、この作品は「面白い」と思ってもらいやすいかもしれません。
とくに扇風機や掃除機などを擬人化させるときは、耳や鼻といった人間の部位の特性を活かしたいと考え、工夫しました。

しかしアイデアはすぐ思い浮かぶほうなので、「〇〇のときに誕生しました」みたいにはっきり言うのは難しいです……。

 

――「変わった作品」という印象を受けましたが、ご自身はどのように感じていますか?

周囲からも、「絵がすごい」とか「特徴的」とはよく言われます。
個性的なぶん、賛否両論な部分もあります。
でも、こんな変わった作品でも受賞し出版することができたので、出版社には感謝です。

 

 

――受賞したときはどのように感じましたか?

形に残るものをつくりたいと思っていたので、うれしかったです。
受賞するには、人間関係といったコネなどが必要かと思っていましたが、そんなのがまったくない自分でもできるのかと驚きました。
「ありがとうございます」という感謝の気持ちが強いですね。

     

――実際に、出版してみていかがでしたか?

自信にはつながりましたね。周囲には、「たなかさんらしい作品」とよく言われます。

 

――出版したあと、作品を広めるためにしていることなどありますか?

職場や知り合いに紹介したり、色々なお店に置いてもらったりするなどして、作品を広めています。
いくつかの図書館にもあいさつ回りにうかがいました。
ほかにも、SNSで発信力のある方に紹介をお願いするなどしています。

――周囲からの反応はどうですか?

「すごいですね」とは言ってもらえますが、まだまだ努力が必要だと感じます。
もっとあいさつ回りなどをして、知名度を高めたいですね。
売上に貢献して、出版社に少しでも恩返しできたら、と思います。

 

 

――最後に、応募を検討している方にメッセージをお願いします。

自分では自分の作品が好きですが、世間的には受け入れられにくい作品だと思っていました。
しかし入賞したことで、自分の作品が認めてもらえたような気がして、うれしかったです。

出版後は、出版社の方も作品を広めるために色々してくれるので、自分もできる限りの努力はしたいと思っています。

表に出るのは苦手なほうですが、長年の夢だった絵本出版の夢が叶ったので、少しでも多くの方に知ってもらいたいです。

まだまだ色々なアイデアや作品のストックがあるので、出版社の方に喜んでもらうためにも、まずは本作を広めることに力を入れたいと思います。

 

  

《 本について 》

『かわろうよ かわろうよ』
著者:たなかべぶび 価格:1430円(税込)



勉強ぎらいの男の子・めぐむくん。
「だれか ぼくとかわってくれないかな~」とつぶやくと、部屋のあちこちから「かわろうよ かわろうよ」という声が……。
扇風機、掃除機、いす、時計、ランドセルなどさまざまなものに変わっていく、めぐむくん。
ものたちを経験してみためぐむくんは、いったいどのようなことを思うのでしょうか?

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《 たなかべぶびさん プロフィール 》

福岡県生まれ。石の上にも40年、継続は出版への道なり。
小さかった頃からの夢だった絵本の出版が、幸運なことに実現する。
バードウオッチングが趣味で、マイファミリーのオカメインコに日々癒されている。
本作で第7回絵本出版賞審査員特別賞を受賞。

 


第9回絵本出版賞の締切まであと9日!

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