絵を描けなくても絵本作家になれる!?

絵本コラム

2021/11/15

 

絵本作家になりたい。でも、絵を描くのが苦手……という人もいるでしょう。

「絵を描くのが上手でないと、絵本作家にはなれない」と思い込んでいる人もいると思います。

しかし、実は絵を上手く描けなくても絵本作家になることはできるのです……!

「絵は描けないけど、絵本作家になりたい!」という人たちのために、絵本出版賞では「絵本のストーリー部門」を設けています。

ここでは、絵を描くのが苦手だけど絵本を作りたい人向けに、ストーリー部門についてお伝えします。

 

 

 

絵本出版賞の「絵本のストーリー部門」とは?

 

まず、絵本出版賞の「絵本のストーリー部門」についてお伝えします。
  

絵本のストーリー部門では、名前のとおり、絵本のストーリーのみを募集しています。

そのため、絵を描く必要はありません。

絵を描くのは苦手でも、「なんとなくこういうイメージがある」といった方は、自分のイメージを括弧書きで付け加えてもいいですし、できる範囲でかまいませんのでラフ画のようなイラストを添付してもらっても問題ありません。

絵本のストーリー部門で大事なのは、「このような絵をつけたら、おそらく素敵な絵本になるだろうな」と審査員に想像させることです。

 

ストーリーの面白さや真新しさも大事ですが、絵本は文章ではなく、“絵”で伝えることがひとつのポイントとなります。

読んでいて楽しい、ページをめくりたくなるような文章も大事ですが、絵本においては、あくまでも“絵”が主役。

けれど、だからといって文章は添えもの程度というわけではありません。

文章は、物語の骨格をつくり、絵で伝えきれない物語の内容や雰囲気を適切に補完するものです。

 

絵本は20~30ページ程度のものが多く、分量がたくさんありすぎると、童話や児童小説のようになってしまいます。

その辺りも考慮したうえで、執筆できるといいでしょう。
   

 

 

 

絵本のストーリー部門に応募する2つのメリット

 

絵本のストーリー部門に応募するメリットをお伝えします。
 

  

1.絵を描けなくても、絵本を出版できる

 

絵本出版賞の絵本のストーリー部門最大の利点は、絵を描くのが苦手でも、絵本出版の夢をかなえられることでしょう。

書店や図書館に並べられている絵本のクオリティーの高さを見ていると、とても自分のイラストを出版するわけにはいかない、と感じている人もいるかもしれません。
 
 
しかしストーリーだけなら、自分でも作れそうだ、という人もいると思います。

絵本のストーリーだけを制作している絵本作家さんも多く、『もりのきでんしゃ』や『もりのきでんしゃ ゆうきをもって』(ともにみらいパブリッシング刊)などを出版しているナカオマサトシさんもストーリー専門の絵本作家です。

ほかにも、詩人として有名な谷川俊太郎さんも『もこ もこもこ』(文研出版)や『まり』(クレヨンハウス)などの絵本作品のストーリーを提供しています。
 

 

  

2.好みの絵柄の絵を選択できる

 

絵を描くのが得意でも、「自分は可愛らしいイラストは得意だけど、風景画は苦手」「リアルで写実的な絵は描けるけど、デフォルメしたようなキャラクターは上手に描けない」などと思っている人もいるでしょう。

そのようなときも、絵本のストーリー部門にストーリーだけ応募すれば、自分の希望する絵柄の作家さんに描いてもらえるかもしれません。

 
絵本出版賞で受賞した作品を出版する際は、編集者とどのようなタッチの作家さんに絵を依頼するか話し合う必要がありますが、「〇〇のイメージがいい」などの希望を出せば、もちろん意見を考慮してもらえます。

100%好みの作家さんと巡り会うのは難しいかもしれませんが、逆に「自分は△△のイメージを抱いていたけど、□□も見てみたら、案外いいかもしれない」といった意外な出会いがある可能性もあります。

「こんなイラストがいいな」という情景もぜひ思い浮かべながら、ストーリーを考えてみましょう。
   

 

 

絵本出版賞から出版されたストーリー部門入賞作

 

ここでは、過去にストーリー部門から出版された絵本出版賞の受賞作を紹介します。
  

 

1.つまさきもじもじ
  作:あんのくるみ 絵:はやしともみ



第3回絵本出版賞優秀賞受賞作。
日本だけでなく、韓国でも出版されました。
言いたいことがうまく言えないすーちゃんの気持ちに共感できる1冊です。

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2.鷲鳥(わしどり)と女の子
  作:上田まさみ 絵:なんぶ


第5回絵本出版賞奨励賞受賞作。
自分に自信を持てない女の子が、鷲鳥との出会いをきっかけに成長していく物語。
美しいイラストが物語の世界観へと深くいざなってくれます。

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3.大みそかに、じかんがじゃんけん大会?
  著者:北島多江子



時計のなかにいる“時間のおばけ”が主役のユニークなストーリー。
ストーリー部門の最優秀作ですが、著者の北島多江子さんはイラストにも挑戦!
「絵を描くのは好きだけど、出版できる実力があるか分からない……」という人は、ストーリー部門に応募して、「こんな感じの絵だったら自分でも描けますが……」と入賞後に相談してみるのもいいかもしれません。

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4.でんせつのにんじん
  作:まえおかさら 絵:ゆざわひろゆき



伝説のにんじんを求めて若者たちが大冒険!
にんじん嫌いな子も思わずにんじんを食べたくなる!?
そんな食育にもぴったりの作品です。

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5.新月くん
  作:よしだみなこ 絵:くさなり

 

月が主役のストーリー。
見えない新月の葛藤が心に響きます。
絵を担当したくさなりさんも、絵本出版賞をきっかけにデビューした絵本作家さんです。

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絵本のストーリーを作成して、絵本作家の夢をかなえよう

 

絵本出版賞の絵本のストーリー部門についてお伝えしました。

絵本出版賞では「絵を描くのが苦手」という人たちのために、文章だけで応募できるストーリー部門を設けています。

「絵は描けないけど、文章だけでいいならアイデアがある!」という人は、ぜひ応募してみてください。

あなたのストーリーにたくさんの人が感動したり、笑ったりするかもしれませんよ。
  

    



現在、第8回絵本出版賞の応募作を募集しています!

絵本出版賞では、新たな才能の発掘に力を入れています。

既存の概念を揺るがすような作品をぜひとも送付してください。

審査員一同、新たな才能に出会えることを楽しみにしています。

第8回絵本出版賞の募集要項