2021/10/20
絵本出版賞は、オリジナルの絵本作品を募集する絵本コンテストです。
絵本出版賞で入賞を目指している方の中には、「ストーリーを作成するのが苦手……」という方もいると思います。
絵を描くのは得意だけど、どうしてもよくあるストーリーになってしまう、といった悩みを抱えている方もいるのではないでしょうか?
ここでは、基本的な絵本のストーリーの作成方法を紹介。
ストーリーづくりに困っている方は、ぜひご一読ください。
絵本のストーリーを作成する5つのステップを紹介します。
まず、何をテーマに絵本を作成するのか考えましょう。
出版を目指す方は、販売することを見越して、最近人気の動物や食べ物、トピックなどを扱うのもいいでしょう。
例えば、コロナ禍が収束したら、旅行ブームが訪れるのではないかと予想されます。
2025年には大阪で万博が開催されます。
それらに合わせた作品を今から作成すると、時期も相まって、発売される頃に注目されやすいかもしれません。
ほかにも、ご自身が好きなものやライフワークとして取り組んでいること、趣味、マイブームなどを題材として扱うのもいいと思います。
テーマやモチーフが決まったら、一緒にどのような読者が手に取るかも考えましょう。
子ども用絵本といえども、0~6歳児向けとさまざま。
学齢期を迎える前の子どもは、数カ月の差で発達が大きく異なります。
「この本は1歳児向けにしよう」と思ったら、複雑なストーリーは避けて、色や語感で楽しめる作品にしたほうがいいかもしれません。
5~6歳向けの絵本にするなら、冒険物などストーリー性を持たせると、ワクワクとした雰囲気で子どもたちもページをめくれます。
この時点で、読者のことも考えられると、より良い絵本作品になりやすいでしょう。
次は、登場人物を考えましょう。
主人公は誰にするのか。
女の子か、男の子か、魔法使いか、妖精か、おじいさんか、おばあさんか、小人か……。
ぜひ好きなキャラクターを選んでください。
人間以外が主人公でもいいでしょう。
犬、猫、うさぎ、ヘビなどの動物から、イス、財布、タオル、ドア、水道の蛇口まで。絵本の世界であれば、何だって主人公になれます。
見慣れない登場人物が出てきたほうが、読者の興味を引くかもしれません。
作品の題材に合った登場人物を考え、そのキャラクターにどのような性格、特徴などを持たせるか熟考していきましょう。
ストーリーをつくるときに意識したいのが“起承転結”。
起……登場人物が置かれている状況説明
承……トラブルや事件の発生
転……作品内における大きな変化
結……物語の終わり
以上が、起承転結の主な中身です。
必ずしも、“起承転結”に沿って、ストーリーをつくる必要はありませんが、盛り上がりに欠けるストーリーなどはやはり“転”の部分にもっと力を入れたほうがいい、などということはあります。
またエンディングも作品の余韻を感じるうえで重要な箇所。
子ども向け絵本の場合、だれもがハッピーな気持ちになれるような結末が喜ばれやすいのです。
ストーリーに自信を持てない人は、改めて自身の作品には“起承転結”があるか確認してみることをおすすめします。
大まかなストーリーが完成したら、家族や友達などに読んでもらうことをおすすめします。
自分では「面白い」と思ったストーリーも、第三者の目から見てみると「こうしたほうがいいのでは……?」といったアドバイスが出てくるかもしれません。
実際に絵本出版賞でも入賞されている方の多くが、応募前に作品を誰かに読んでもらっています。
完成後に修正するのは手間もかかりますので、絵コンテなど早い段階で見てもらうといいでしょう。
ストーリーの作成方法をお伝えしました。
「絵本ならではの独特なストーリーをつくるのが苦手」という方もいるかもしれませんが、短いページ数でも絵本はイラストとストーリーを組み合わせることで、心に残る深い物語をつくることができます。
ストーリーがいい作品は、絵を描くのが得意な方とコラボレーションして出版できるといったメリットもあります。
ぜひオリジナルのストーリーを制作して、入賞を目指しましょう。
絵本出版賞では、新たな才能の発掘に力を入れています。
既存の概念を揺るがすような作品をぜひとも送付してください。
審査員一同、新たな才能に出会えることを楽しみにしています!