第6回絵本出版賞最終審査が行われました!

絵本出版賞審査結果

2021/01/31

最終審査の様子です。

 

12月の寒い日が続くなか、2日間にわたって絵本出版賞の最終審査が行われました。

今回も600以上の応募作品の中から、大賞・最優秀賞・審査員特別賞などの選考が行われました。

2日間かけてひとつひとつの応募作品を今まで以上にじっくり見ることができたので、審査員も大きなやりがいと達成感を覚えていました。

ここでは、提携出版社社長の松崎義行氏など審査員のコメントを紹介します。

 


提携出版社社長 松崎義行氏より

 

 

このたびは第6回絵本出版賞にご応募いただき誠にありがとうございます! そして受賞した皆さま、心よりお祝い申し上げます。おめでとうございます!

今回、2日間にわたって連続して色々な作品を拝読し、とても贅沢な気持ちを味わわせていただきました。

さまざまな作品がありましたが、全体を通して言えることは、「今、この世の中で何を求められているのか」ということを問われているような気がしました。

私たちの生きている世界には、誤解や理不尽、あきらめなど色々なネガティブなものがあふれています。しかし作品の世界の中では、それらのものを空想力や夢、勇気などを持って乗り越えていっているように感じます。

当然のことと思われる人もいるかもしれませんが、改めて無いものを見ることや、夢や理想を見ることの大切さを感じさせられました。
応募作品を見る中で、自分が何を求めていたのか分かってきたような気がする、そんな心持ちです。

大切だと思うものは、家族の絆や共生すること、切磋琢磨し、競争し合う面白さなど人によって異なると思います。これらのことについて、さまざまな作品に触れ合うことで、2日間で色々な思いを馳せることができました。

例えば、ストーリー部門最優秀賞の「おはなしおばけ」は子どもの好奇心や家族の中に本当に欲しいものがあったことを感じさせる作品です。読了後、本当に必要なものに自分が満たされていたことに気づける人もいると思います。作者にそのような意図があったのかは分かりませんが、世の中にある気付かない不条理やそれをいとも簡単に乗り越えてしまう子どもの力などを感じることができました。

大人向け絵本部門では、このコロナ禍という状況もあってか、家族のことを見直すような作品が多いと感じました。

最優秀賞を受賞した「あのひのゆうやけ」も家族の絆をテーマとした作品です。本作も親の愛情の受け止め方など理不尽を乗り越えるためのヒントが描かれているように思えました。大人になっても自分に自信を持てないときなどは、本作のように親の愛情を見つけ出すことで本来の自分を取り戻すきっかけになるかもしれません。

絵本部門はさまざまな作品の応募があり、この部門から数々のヒット作が生まれています。過去に出版された作品を読んで、応募に踏み切ってくださった方も多いのではないでしょうか。

大賞受賞作の「ちびすっぽんのぼうけん」は周囲と同じように行動できない主人公が、まさにがむしゃらに食いついて行って、大仕事を成し遂げる話です。

ストーリーだけでなく、主人公が生きている世界の面白さ、敵も含めてさまざまな出会いがあって、そのなかで成長する面白さなど数多くの面白さを感じることができました。

絵画的にも優れており、オリジナリティーが非常に高いところも評価されました。構成、展開、色彩的な移り変わりなど、さまざまな面からみてもとても完成度の高い、このまま出版したくなるような作品でした。

大賞受賞作以外でも、本部門には一時的な面白さだけではなく、真理を突いた面白さのある作品が多かったと思います。含蓄のある面白味を持った作品が多く、大変読み応えがありました。

今回も今後の絵本出版や出版業界の可能性を切り開いていけるような作品にたくさんめぐり合えて、とても幸せです。

またこれからもさまざまな作品を通じて、新たな喜びを感じていければと思います。

 


 

以下、ほかの審査員のコメントもお伝えします!

 

スプリング株式会社代表取締役 絵本出版賞主宰 城村典子より

6回目の絵本出版賞の大賞は絵本部門から選ばれました。絵本部門を中心に、どんどんレベルの高い作品が集まってきている印象です! 多くの方が絵本制作という新たなチャレンジに取り組んでくださっていることに感謝申し上げます。 

 

株式会社みらいパブリッシング 谷郁雄編集長より


今回、ストーリー部門、大人向け絵本部門、絵本部門の3部門を審査しました。
編集後、絵本という形にて世間の人たちの目や心に触れることを考えると、審査する側の人間も、各作品を正しく理解できているのか試されているような気がします。
今回受賞できなかった方も、まだチャンスはあります。
受賞作に関しては、これから作品の輝きを損なうことなく、より良い形で世の中に出すお手伝いをしなくてはならないという、編集者ならではの楽しさとプレッシャーが待っています。
著者とともに、絵本の世界を発展させるためにお互い協力していければいいなと感じます。 

 

みらいパブリッシング株式会社 デザイナー堀川氏より

毎回開催するごとにレベルが上がってきて、今回も楽しく審査ができました。
さまざまな種類の作品を読めることが楽しみで、幸せなことだと感じています。
今回は今までより審査員同士の意見が同じであることが多く、それも応募作品の完成度が上がっていることと関係しているのではないかと思っています。 

引き続き、第6回絵本出版賞の審査の様子をレポートしていきますので、楽しみにお待ちください!

 

 

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