出版ノウハウ
2021/01/18
別記事「絵本のつくりかた」では、初めて絵本を作る方向けに、絵の描き方やストーリー、キャラクターの作り方をお伝えしました。
では、原稿が完成した後、実際に出版に至るまでにどのような工程があるのでしょうか?
今回は、入稿から販売までの流れについて説明します。
絵本づくりの流れ
絵本は原稿が完成後、以下の工程を経て、本屋に並びます。
1.入稿
完成したデータを出版社に送ります。
出版社に送付する方法は、郵送とデータ入稿の2通りがあります。
以下、入稿する際の注意点です。
(1)ページのはじっこには絵を描かない
絵本の原稿の場合、展示する絵と異なり、用紙いっぱいに絵を描いても、端の部分1cmほどは断ち切られてしまい、印刷されません。
特に気をつけてほしいのは、見開き(ページを開いた状態のこと)の中央部分。
ここは本をまとめる製本箇所であり、用紙いっぱいに絵を描いてしまうと、綴じられてしまうため見えにくくなってしまいます。
なので、ページの隅や端っこに大切なモチーフを描くのはやめましょう。
(2)イラストは原寸大で描く
原稿を拡大・縮小することはできますが、画像が粗くなってしまいます。
イメージ通りの絵本を出版するためにも、原寸大のサイズ(A4判の絵本を作りたいなら、見開きでA3サイズの原稿を使う)で描きましょう。
2.校正
入稿データはデザイナーや編集者の手によってレイアウトや編集が加えられます。
初校(最初の出版イメージ)が完成すると、作者の元には校正用紙が送られます。
校正用紙とは「もう少し文字を大きくしてほしい」「ここのイメージを変えてほしい」などの指示を書き込むための用紙です。
この用紙を元に、編集者は内容を変更し、著者と二人三脚で、より良い作品へと仕上げていきます。
3.印刷
校了(校正が完了)したら、データを印刷していきます。
印刷の際、気になるのが色の出方でしょう。
色校正にて色調などは確認できますので、ご指摘ください。
またどのような紙に印刷するかも気になるところですね。
絵本の紙としてよく使われるのがコート紙とアート紙です。
○コート紙……チラシやパンフレット、ポスター、ポストカードなど一般的な商業ツールに用いられる表面がツルツルとした用紙
○アート紙……コート紙に比べて、紙の表面がなめらかで、光沢があり、発色も良いため、雑誌の表紙やカレンダー、高級美術書などによく使われます。
ほかにも、ヴァンヌーボー、ミルトGA、ホワイトエクセルケントなどさまざまな用紙がありますので、機会がありましたら、ぜひ違いを感じてみてください。
4.宣伝
絵本は本屋に並べるだけではなかなか売れません。
何かしらの広報活動が必要になります。主な宣伝方法として、以下があります。
(1)ホームページやブログを作成する
宣伝用のホームページやブログを制作します。
ホームページやブログを通じて、作品の内容や作者の想い、出版までの経緯などを伝えていきましょう。
FacebookやTwitter、InstagramなどのSNSを通じてWEBサイトやブログ記事を宣伝していけば、より多くの人の目にとまり、作品の売れ行きも変わっていくでしょう。
特に有名人が投稿をシェアしたり、紹介したりしてくれると、爆発的にヒットする可能性が高まります。
(2)書店を回る
店頭販売が決まったら、書店を回りましょう。
特に自作のポップなどを持って行くと書店員がやる気に共感して、宣伝に協力してくれることが多いです。
作品の売れ行きを確認するためにも、自宅や職場の近くだけでも構わないので、書店に足を運ぶようにしましょう。
5.販売
待ちに待った発売日です。
完成した絵本は本屋やAmazonで販売されます。
評判が良ければ、図書館や児童館などから出版社宛に大量発注が来ることも夢ではありません。
ヒットさせるには、出版社も努力しますが、作者自身の情熱が欠かせません。
一人でも多くの方に作品を届けるためにも、ぜひ一緒に頑張っていきましょう。
まとめ
原稿完成から販売までの流れは理解できましたか?
「絵本制作って難しそう!」と思うかもしれませんが、当然のことながら、出版社や編集者は絵本出版のプロ。
あなたの初めての絵本出版を成功に導くため誠心誠意アドバイスします。
それなので、イラストや文章に自信がない方でも、「出版したい!」という気持ちがあれば、ぜひ想いを形にしてみてください。
編集者やデザイナーが皆さんの思いが1人でも多くの方に届くよう、全力でサポートします。
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